演劇・ライブ撮影にはAPS-Cとフルサイズのどっちが良いの?

演劇・ライブ撮影用のカメラを選ぶ際に気になるポイントがいくつかあります。

その中でも重要な点がセンサーサイズ」。多くの人は「APS-C」と「フルサイズ」で悩むことかと思います。

この2つの違いを説明しつつ、おまけ的に「マイクロフォーサーズ」「中判」と呼ばれるセンサーサイズについても紹介します。

センサーサイズとは?

カメラのセンサーは「画像素子」と呼ばれます。このセンサーは、レンズから取り込んだ光を電気信号に変える役割を担っています。

このセンサーが大きい方が高価で大きなカメラになる傾向があります。

APS-Cの特徴

まずは多くの人が最初に手に取るであろうAPS-Cから紹介しましょう。

エントリークラスは基本的にこれ

演劇やライブの写真を撮ろうと最初のカメラを撮るとき、予算はどれくらいを考えているでしょうか? 周りを見渡していると、5〜10万円くらいが多いかなと感じます。

この価格帯だと、レンズも合わせて購入するとなるといわゆるエントリーモデルが候補に上がるかと思います。CanonだとEOS kiss X9ダブルズームキット、NikonだとD3500ダブルズームキットあたりが6万円前後で一眼レフのシステムを一式揃えることができるので、最初に買う一台としては良いでしょう。

予算の都合がつかない場合は、基本的にAPS-Cを選ぶことになるかと思います。

レンズの焦点距離が約1.5倍される

レンズの焦点距離は、基本的にすべてフルサイズ換算でのものが書かれています。APS-Cのカメラを使うときは、レンズに書いてある焦点距離の約1.5倍として考えなければなりません。これは、センサーサイズの違いが関係しています。

標準レンズと言われる50mmのレンズも、APS-Cで使うとおよそ75mmの中望遠レンズになってしまいます。一方で望遠レンズはより望遠になるので、ここはメリットでもあります。

レンズが小さくて軽い

APS-C用のレンズは、基本的に小さくて軽いものが多いです。特にエントリークラスのキットレンズは非常に扱いやすく、フルサイズ機をずっと使っていたたまに戻ってくると、あまりの軽さに驚いてしまいます。

またカメラのボディやレンズの価格はおおよそその大きさに比例するので、小さくて軽いレンズはだいたい安いです。あんまり荷物を大きくしたくない人は、APS-Cのエントリーモデルを中心に色々と買い揃えると良いでしょう。

フルサイズボディでAPS-Cのレンズは使えない

APS-Cのシステムを構築する際に注意していたきたいのは、フルサイズボディではAPS-C用のレンズが使えないということ。CanonはEFマウントと呼ばれる規格ですが、これにはAPS-C用のEF-Sレンズを使うことができません。装着することは一応できるのですが、対応しているセンサーサイズが小さいため、画面の隅に大きな黒い部分ができてしまいます。

一方でAPS-Cのボディにフルサイズ用のレンズはつけることが可能です。もし将来的にフルサイズへの移行を考えながらAPS-Cを使う場合、レンズはフルサイズ用のものから選んでいくのが良いかもしれません。

フルサイズの特徴

次にフルサイズの特徴を紹介していきます。

ミドルクラス〜フラッグシップモデルがだいたいこれ

二大メーカーCanonとNikonのフラッグシップ、EOS-1D X MarkⅡD5は、どちらもフルサイズの一眼レフカメラです。価格を見るだけで恐ろしいですね…。

その他にも、CanonとNikonの上位機種には基本的にフルサイズのAPS-Cセンサーが搭載されています。

暗いところに強い

劇場やライブハウスは薄暗い場合が多いです。照明がガンガン当たっているときは別に問題ありませんが、ほんのりとした明かりの下で撮影する場合もありますよね。

基本的にはセンサーサイズは大きい方が暗いところに強くなります。

カメラはISO感度という数値を上げると明るく撮ることができるのですが、その代わり写真にざらつきが出てきます。フルサイズカメラは、APS-C機に比べて、ISO感度をあげてもざらつきが出にくいという特徴があります。

またダイナミックレンジが広くなるのも特徴です。要するに明るいところでも暗いところでも、しっかりと情報を残してくれるので、真っ白になったり真っ黒になったりすることなく、ディティールを再現することができます。

僕は最初のカメラとしてAPS-CのエントリーモデルEOS kiss X7を使っていたのですが、薄暗い劇場で顔がはっきり見えるくらいの明るさで撮ろうとすると、どうしてもノイズが乗ってしまうのが悩みでした。そういった理由でフルサイズのEOS 6D MarkⅡに乗り換えたという経緯があります。

ボケの量が多くなる

センサーサイズが大きくなればなるほど、ボケの量は大きくなります。

ポートレート写真などを撮るときは、ボケの量が多い方が被写体を浮かび上がらせることができるので、印象的な仕上がりになります。これは演劇撮影でも基本的に同じです。

しかし、演劇の被写体は激しく動くことも多いので、ボケの量が大きいことは逆にデメリットになる場合もあります。

フルサイズ用のレンズはAPS-C機でも使える

APS-C用のレンズはフルサイズ機では使えませんでしたが、フルサイズ用のレンズをAPS-C機で使うことはできます。

APS-C機を使っているからといってAPS-C用のレンズばかりを買っていると、いざフルサイズ機を買ったときに全くレンズを引き継ぐことができません。将来的にフルサイズ機を買う予定があるのであれば、新しいレンズを購入する際にフルサイズ用のレンズを視野に入れても良いと思います。

ボディもレンズも高価になる

APS-C機に比べると、ボディもレンズも高価になっていきます。その分、レンズもラインナップが多くて選択肢も大きくなっていくのですが、上へ行けばいくほど素人目にはよくわからない世界です。

たとえば、CanonのEF400mm F2.8L IS II USMというレンズはAmazon価格が90万円を超えています。恐ろしいことです。

もちろん、フルサイズ用でも安いレンズだと2万円を切るものもあります。いわゆる「撒き餌レンズ」と呼ばれるものですね。Canonだと、EF50mm F1.8 STMが撒き餌レンズと呼ばれています。

重くてでかい

価格に比例するように、重くなるしでかくなっていきます。気軽に撮影するのにはフルサイズ機は向いていないと思います。本気で撮るときはフルサイズ機を使い、気軽にスナップなどを撮りたい時はAPS-C機を使う、という人もいます。

まずはAPS-C機で気軽に撮りつつ、必要性を感じたらフルサイズ機に移行する、というのが丁度良いのかなあと思います。

APS-C機とフルサイズ機はどちらを買えば良いの?

初めてカメラを購入するのであれば、APS-C機のエントリーモデルをおすすめします。標準〜望遠までカバーできるダブルズームレンズキットが、5〜10万円くらいの価格帯で手に入るでしょう。

このあたりのカメラでも、スマートフォンのカメラに比べたら暗いところに強いし、動きものにも強いし、ズームにも強いです。確実にレベルアップします。

しかしもし余裕があれば、フルサイズ機を買うことをおすすめします。

理由は、劇場は薄暗い場合が多いから。照明を明るくすることもありますが、かなり暗いシーンで撮らなくてはならない場合もあります。多少重くてでかくても、暗いところに強いフルサイズ機だと、ざらついた感じの少ない写真をたくさん撮影できます。

しかしAPS-Cが必ずしも悪いわけではありません。たとえば、EOS 7D MarkⅡはAPS-C機ですが、フルサイズ機のEOS 6D MarkⅡEOS 5D MarkⅣにはない特徴があります。

まずAPS-C機の特徴として、望遠側はより望遠に撮れるという点が挙げられます。レンズはAPS-C機のものもフルサイズ機のものも使えるという柔軟ぶり。さらにEOS 7D MarkⅡは秒間10コマの撮影を行うことができます。

ですから、明るい野外などで、望遠を多用し、激しい動きをするので連写して成功写真を稼ぎたいという場合は、EOS 7D MarkⅡの方が適任なのです。

(連写に関しては、Canonの一眼レフで比べているからこうなっているわけで、SONYのフルサイズミラーレス一眼α7Ⅲも秒間10コマ撮影できたりするんですけどね。)

「マイクロフォーサーズ」と「中判」

おまけとして、「マイクロフォーサーズ」と「中判」も簡単に説明しておきますね。

マイクロフォーサーズは、基本的にOLYMPUSとPanasonicのミラーレス一眼の規格です。センサーサイズの呼び名でもあり、マウントの呼び名でもあります。なので、OLYMPUSやPanasonicのボディ・レンズは相互に使用することができます。

センサーサイズが小さくなるため、ボディやレンズは比較的小さくすることができます。

動画に特化したLUMIXのGH-5など、面白いカメラもたくさんあります。価格もそれなりで、決して機能がAPS-C機やフルサイズ機に劣っているというわけではありません。

ただ、暗いところでの撮影を考えるとやはり感度の面が気になります。また、最初のカメラはCanonかNikonが情報もたくさんあるし良いだろうと思います。最近は、SONYのミラーレス一眼の勢いが凄いので、そちらでも良いかもしれません。

次に「中判」について。これは、フルサイズよりももっと大きなサイズのセンサーになります。もちろん、ボディはでかいし、めちゃめちゃ高価です。FUJIFILMはAPS-C機の他に中判カメラを出しており、GFX 50Rがそれにあたります。値段を見るだけで恐ろしい…。

あとは、カメラ好きの憧れライカも中判カメラを出していますね。ライカS3などが代表的でしょうか。ライカは全体的にやばいお値段となっております。

まとめ

以上、APS-Cとフルサイズを中心に、センサーサイズについてまとめてまいりました。

結論としては、
・とりあえず安く買っておきたい→APS-C
・暗いところにも強いカメラを買っておきたい→フルサイズ
ということになるかと思います。

APS-C機が安いかというと、FUJIFILMのX-H1は決してお安いとは言えないのですが、全体的な傾向として、という感じで捉えていただけますと幸いです。少なくとも、CanonやNikonを買う場合はAPS-C機を選んだ方が全体的に安く済みます!

予算と相談しながら、自分にぴったりのカメラを選んでくださいね。


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あとーす

投稿者: あとーす

熊本のミュージカルスタジオstudio in.K.を中心にステージフォトを撮影しています。特に九州での演劇撮影を希望される方は、ぜひご連絡ください。過去の実績などはこちらから→あとーすにできること /

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